訳:矢崎 源九郎・植田 敏郎・乾 侑美子
出版社:童話館出版
サイズ:21×16cm
ページ数:322ページ
【店主 蓮岡より】
おすすめの年齢 6歳から
【出版社より】
「グリムの昔話」三部作
昔話は、人々をひきつけるふしぎな力を持っています。世界中の民族がその民族ならではの昔話を引き継いでいます。とりわけ世界にひろく親しまれてきたのが「グリムの昔話」です。グリムの昔話は、家庭で子どもたちに語られていた、数々の話を、グリムという二人の兄弟が収集・編集したものです。短いものから長いものまで、200編ほどのお話がありますが、これまでこれらは「グリムの昔話」というひとくくりで紹介され、子どもたちに読まれてきました。でも、深く読み込んでいくと、その中には小さい子どもたちにもふさわしいと思えるものから、人間の深い闇や業(ごう)のようなものを語るものまであります。そこで、童話館出版では、子どもたちのそれぞれの心の成長に応じて「グリムの昔話」を編み直したいと思い、200編の中から厳選して、三部作にしました。「人の世の野の道から林の道、そして森の道を歩むように」段階的にグリムの昔話を手にとっていただきたいと、「野の道編」「林の道編」「森の道編」となっています。ではご紹介します。
「グリムの昔話 野の道編」
歩むべき道は緑の中にくっきり続いてはいるけれど、草むらのかげには何か見えぬものがひそんでいるかのような「野の道」編。
『ホレばあさん』あるやもめのおかみさんには、娘が二人います。一人は美しく、働き者。もう一人は醜く怠け者。ところが、怠け者の娘の方が本当の娘だったので、おかみさんは、怠け者の娘ばかり可愛がります。ある日、美しい娘は糸まきを井戸に落とし、おかみさんに叱られます。困り果てた娘は、糸まきを取りにいくため、井戸に飛び込みます。気がつくと、娘は野原にいて、やがて“ホレばあさん”の家にたどり着きます。娘はホレばあさんの家でいつものようによく働き、ごほうびをもらって帰ってきます。それを見た怠け者の娘も井戸へ飛び込みます・・・。
「野の道編」には、『麦の ほ』『小人とくつや』『ものしりはかせ』『七わの からす』『かしこいグレーテル』など全29話が収められています。もう少し大きくなったら、どうぞ他の2冊「林の道編」「森の道編」も手に取ってみてください。(編集企画室 U・A)